ツェルマットな日々 その3日目



トリフトハイキング



【8月22日(月)】

昨日の雨も、朝にはようやく止んで、ハイキングに行くことになった。S夫妻&N夫妻も私の泊まっているホテルに集合。田村代表に初めてご挨拶。恐そうな人だったらどうしようって内心心配していたら、穏やかな感じの方でほっとした。(^^;)


ところが、やはり雪が多すぎるので当初の予定のオーバーロートホルン(3415m)には大量の積雪が見込まれているので(ゴルナーグラードが3000m位の標高で50センチ積もったらしい。朝のTVのライブカメラもどこも真っ白だった)、ハイキングの山とはいえ、恐らく猛ラッセルでかつ少し岩場で危ない所もあるので、ザイルを張る必要があるので、そうまでして行くのは賢明ではないという理由で、トリフトハイキングに急遽変更だった。ここだと標高差で700m位の登りのハイキング。時差ボケしているので、お手柔らかにお願いしたいところだ。


トリフトハイキングは、たまたまS夫妻達は初日に途中までハイクしていたので、ちょっと・・・・ということになり、結局田村代表と二人でハイクとなった。トリフトは日本人の一般的な観光ツアーにはない所なので、馴染みがあまりないが、ツェルマットからダイレクトに登るコースだ。(ホテルに戻ってからハイキングガイドを読むと、ちゃんと載っていた。)


時差ぼけの体に登りのハイクは結構汗が吹き出るが、沢沿いの道で涼しい部分も多い。登っている人達は外国人ばかりで日本人は見かけない。とっても体重が重たい人達も結構登っていて、こういう体格の人達(女性で80キロとか男性で100キロとかのレベルの意味合いです。やや太っているというのではなくて)の人は日本人だと登山やハイキングではまず見かけないが、向こうの人は結構するんですよ・・・なんていう話を田村さんがされていて、興味深かった。道は九十九折で森林の中を通る。途中でクライミングのゲレンデもあった。やがて道は沢沿いをずっとつめるような感じになって、下から見て一段あがった所にエーデルワイスヒュッテがあった。ここもレストランになっていて、ツェルマットを上から一望できる。


そこを過ぎると、ずっと開放的な沢沿いの道になったと思う。森林限界を越しつつあり、あたりの景色も沢を見下ろす形になって、ずっと山肌のトラバースみたいな感じだ。天気は薄曇という感じなので、草原がやや色彩的には冴えないが、人も少ないし楽しい。それに思ったよりもずっとお花が咲いていた。8月中旬なのでお花は全て終わっているかと思った割には、結構咲いていたので嬉しかった。ずっと結構おしゃべりしてしまった・・・・。田村さんは国際経験豊かで、会社の成り立ちや各地の遠征の話や色んなエピソードなどを語ってくれた。


トリフト小屋に到着する頃には、すっかりガスの中みたいな感じになった。昨日からの雪の悪天の寒気がまだ上空に居座っているような感じで寒かった。小屋のご主人とは田村さんは馴染みのようで、ドイツ語で会話をされていたので当然なんだか私は全くわからなかった。トリフト小屋のご主人曰く、もうひとつ上の小屋では70センチの積雪だったという。小屋は木を使った内装で綺麗だった。ここで自分は紅茶を頼んで休憩。高度順応のハイキングでもあるので、ゆったりとしばらく休む。何よりも、時差ぼけのせいか朝は5時頃に目が一旦醒めてしまうし、一人旅で緊張していたので、適度な運動は心地よかった。


かなり休んでいたが、それでもガスが完全には切れることなく、ホテルに帰ってガイドブックの写真を見たらとても素敵な所らしいが、なんか山が周りに一杯あるらしいな・・・・ぐらいの景色しか見れずに残念だった。また機会があれば、是非登ってみたい所だ。登りでは写真は撮らなかったので、下りは写真モード。お花の解説をしてもらい、日本とそっくりなお花もあるし、日本で園芸種かと思っていたのが、このあたりではうじゃうじゃ咲いているし。とりあえず写真は一杯撮ったが、曇り空のせいか光量が足りなかったせいもあり出来はイマイチ。でも、本当に最盛期に来たら素晴らしいだろうなという所だった。(エリカ、マツムシソウ、ヤナギラン、ベンケイソウ、ミヤマキンポウゲ、キキョウなどなど・・・。全部日本式の名前で書いているので、スイス名は別にあると思う)


降りて行く最中にエーデルワイスを田村さんが発見。とても自分では見つけることができなかったと思う。本当は日本のエーデルワイスと呼ばれる早池峰のハヤチネウスユキソウを見てから本場モンを見たかったのですが、順序が逆になっちゃった。見てみると、地味なお花で結構意外でした。由来的に高山のレベル1600m〜2800m位しか咲いていないので、かつてはヨーロッパも登山鉄道などもなくて、高い所でしか咲かない貴重なお花というイメージで珍重されたのだという。それにそんなに群生していなくて、控えめな清楚なお花というイメージのようだ。ドイツ語で「高貴な白」というのがエーデルワイスの意味だとう。日本だとコマクサなんていうのは、本当に極限られた所でしか、そういうイメージのお花なんだろうなあ・・・


ツェルマットに下山して、初めてアクティブマウンテンの事務所を訪問。表通りを一歩入った所だ。田村さんが電話で情報収集をして、まだ相当に雪の状況がすごいので、いつもはガイド登山ならば誰でも登れる4000m峰という評判の高い
ブライトホルンでさえも、本日はノートレース。ライトホルンが登れない限りは、そのトレースのずっと先にあるポリュックス(マッターホルンに登るためのテストの山)には到底行くことはできない。(往復の距離がかなり有り) 随時情報を集めながら、まずはポリュックスに行ける日を待つことにした。これから自分の天候待ちの待機の日々が始まった。


 
 ツェルマット9:30頃出発  トリフト小屋11:20〜12:40頃  ツェルマット14:20頃






トリフトヒュッテから山の上を望むが・・ トリフトヒュッテ エリカ
アクティブマウンテンの田村代表
ベンケイソウの一種というが、気持ち悪い
かなり下った所からやっと山が見えた ずっと渓谷沿いの道 エーデルワイスヒュッテ
ツェルマットの街を一望 クライミングの岩場
ホテルのテラスから見ると、
ちょうど谷間を登る形

エーデルワイス