ツェルマットな日々 その2日目



チューリッヒからツェルマットへ



【8月21日(日)】

チューリッヒは朝からどんよりとした雨模様だった。相変わらず寒い。今日の出発は11時の列車に乗ればいいので、ゆっくり朝食を摂る。昨日から温かいものを食べていなかったので、ビュッフェ形式なので思い切り暖かいベーコンやソーセージやスクランブルエッグやクロワッサン等の豊富なパンをたらふく食べて満腹。紅茶もたっぶり飲んで急激に体が暖かくなった気分。(それにしても、日本では夜は寝苦しくて睡眠不足がずっと続いた気分だったので、スイスで久しぶりに熟睡した気分で爽やか♪)


時間があるけど、外は雨なので観光する気分でもないので、ゆっくり寛いでからチェックアウト。駅にはかなり早く着いた。列車が全然入線してこないので、駅で待っていると登山の恰好をした大きなリュックを担いだ若者達が結構いた。やっと列車がきたので、2等車の禁煙車に間違いなく乗って1ボックス占拠。空いているのでよかった。いよいよ出発かと思いきや、何故か発車時刻になっても発車しない。何で?!それでも何事もなかったかのように7分遅れで出発。車内放送はドイツ語、フランス語、英語の順だったかな?


車窓は雨が煙ぶる中を、平野を走る。緑が一杯広がっている。どこも絵になるような景色だ。途中ベルンのあたりを通る。たまに大きな町を通ると、必ず教会の塔が見える。川がゆったり流れているが、それにしてもかなり水嵩が一杯で大丈夫かな? (と思っていたら、この翌日ぐらいからスイスのこの界隈付近は大洪水であちこち大変な水没状態になってしまい、鉄道や道路が寸断され大変な騒ぎに。200年ぶりの大洪水だったらしい。)車窓の景色が目新しいのでずっと見入ってしまった。シュピーツというトゥーン湖のほとりあたりは開けて気分がよい。ここからインターラーケン(グリンデルワルトに行く方面)へ行く方向から分かれて、列車は山間の細い険しい谷の間を縫うようになる。それが、すごい断崖絶壁の間で、日本だったら、何々の滝・・・とか、何とか岩壁・・・と立派が名前が付いてそうな所が次々と現れるから驚いた。さすがに本場のスイスの山々の自然は厳しいなあ。ダイレクトに雨が滝となって数100mは落下していた。(いつもそうかわからないが、大豪雨だったので、そのせいもあるかも) やっと峠を越して下りにかかるとまもなくブリークに到着。


ここまで約2時間半。いよいよ、乗り換えてツェルマットに向かう。心配していた乗換えは、これがなんとなく駅を出て右に行ったら、バスの停留所か?みたいな場所が登山鉄道の駅で簡単すぎて驚いた。しばらく待っていると、次から次へと登山客や観光客が現れた。結構年配の登山客も多い。ガイドらしきが率いるパーティーもいた。やっと本番ムード一杯。わくわくするような気分だ。ここまで来る列車も途中から暖房が入っていたが、登山鉄道ももちろん暖房が入っていた。


右の席に座ったが、ずっと車窓を眺めていると川の水流が多い。途中で山の景色が見れないかなって思っていたが、全く雨で煙った景色で残念。それでも、両側が谷で本当に深い所に入って行く感じだった。あたりの民家の景色なんかもスイスらしくて花を皆植えているのが可愛い。約1時間半ほどだが、全く高峰は見ることなくツェルマットに到着。


ツェルマット駅には、降りた所にちょうどアクティブマウンテンの茂木美佐さんが来てくれていた。すぐにわかった。それにしても、ものすごく寒い、ブルブル・・・・彼女も雪山に着ていくゴアの厚手のパーカーを着ている。スーツケースを窓口で受け取って、ホテルの電気自動車に乗って、やや街を迂回しながら雨のツェルマットを進む。なんだか迂回したせいで最初は遠く感じたが、後で歩くと駅から10分弱ぐらいだった。泊まるホテルはクーロンというホテルで3つ星。どんな所か心配だったが、かなり立派。ホテルのロビーでこれからの滞在中のことにつき詳細にレクチャーを受ける。携帯電話も貸し出しされたので使い方を習うが、イマイチよくわからなくて困った(^^;)


話の中で、この雨は標高2300mより上では完全な雪で相当量が降っている。そのために、恐らく
ここ当分はマッターホルンはクローズ。モンテローザへの転進といっても、すごい長い距離なので、これだけの豪雪が降っているのではトレースがつかない限り、ガイド登山は無理という。あくまで推測の話だけど、マッターホルンの再開はたぶん、来週あたりになるのでは・・・ (この週の後半という4,5日レベルでないほどの深刻なクローズ状態) 先週はアクティブマウンティンのお客様がいずれも1週間程度の休暇でマッターホルンを狙っていたが、やはりクローズしており、一人はモンテローザを普通に小屋から歩いて、もう一人の方はモンテローザを4000mまでヘリをチャーターして上り、残り標高600mを登ったという。先週は、私が来る直前の1日か2日間だけ<力のあるガイドが力のある人のみ伴ってマッターホルンにアタックした>という。表向きのアルパインセンターではどうやらクローズだったような。8月上旬からほとんどまともに登れていないということだ。今年は、何故か6月がとても雪がほとんど無くて、結構な日数が登れて(通常の年だと6月はあまり雪で登れないのだが)、7月は天候不順でやはりあまり登れていなくて、8月はほんの2、3日だけ?! 


なんか、来た早々にがっくりな話だ。実は、日本を出るときから、お盆15日前後にも雪が結構降っているのがライブカメラ等でわかっていたので、マッターホルンに登れる可能性よりも他の山にうまく転進を図ることを気持ちの中では考えていた。自分としては、岩的な要素の強いマッターホルンは技術的に不相応かなという気持ちもあったので、雪山が好きなので、モンテローザも大いに結構と思っていたが。。。。でも、モンテローザは標高差が1800mもあり、距離がものすごく長いのでラッセルでは届かないだろうな〜、まともに山らしい山に登れるのはいつのことやら・・・。さすがにヘリまで使って登るのは・・・・。


それから、既に2日前にツェルマット入りをしていたS夫妻&N夫妻からは、MINMINをヨロシクってなことの表敬訪問をアクティブマウンテンさんにしていたとこのこと。実は自分はHPを開いていることは一切自分からは言ってなかったのだが、ぽろりとSさんが話したため、茂木さんは私のサイトを確認したそうだ。(う〜ん、恥ずかしい・・・)


雪の話は深刻で、明日連れて行ってくださる予定のハイキングの実施もどうするか? 現在かなり雨(雪)が降っているが、止む方向であるので一応実施の予定にしたが、もしかしたらオーバーロートホルン(3415m)よりも低い場所での(雪がない場所)でのハイクにするかもしれない・・・という話も出た。それに、明日は茂木さんガイドによる女性同士の時差ボケ解消のお気楽ハイキングのはずだったのが、田村代表によるご案内に変更とのこと。(全然お気楽じゃないじゃない・・・・鈍足がばれないといいんだけど。) 


ホテルの部屋はシングルだが、恐らくセミダブルベット位の大きさで二人でも寝れそうなほど広い。2階(現地的には1F)でとても広いテラスに面している。部屋はシングルとしては広めでゆったり。バスタブも自分の背の高さではもぐってしまいそうに長い。唯一の欠点は冷蔵庫が無いこと。それにしても、マッターホルンビューの部屋で予約したんだけど、どこにマッターホルンはあるの?て感じで全く山の上の方は雲が立ち込めていた。


茂木さんが帰って一息つくと、スーパーマーケットが日曜日は基本は休みだが夕方少しの時間だけやっているそうなので、その時間に合わせて行くことにする。まずは、その前に自炊用のガスボンベを買おうと、ツェルマットの登山用品店を何軒も探す。自分のはプリムスだが、あるのはコールマンばかり。これは大丈夫だっけ?(キャンピングガスを置いていた店は1軒かな?)そもそもボンベを置いていない店が多かった。コールマンのボンベなんで、英語でプリムスは大丈夫?って聞くんだけど、私のプリムスって発音が駄目なのか、そのブランドがイマイチなのか英語が通じない? とにかくコールマンの一番小さいのしかなかったので、それを購入。とにかく在庫がほんの数個しか置いていない店が多かった。(山ほど置いてある日本の山のお店の感覚からすると驚き!) 念のために別のお店でも探したら、やっと私の下手な英語が通じる店員さんがいて、もし駄目なら返品してもいいよって言ってくれたので、いつものサイズがあったので念のためにもう1個購入。(8CHFと11CHFだから、目茶苦茶高い!) 次にコープに行くが、スーパーマーケットも日本の品揃えに比べるとお惣菜がとっても高くて買えない。それでも、お目当てのスパゲッティなどを購入して、これでしばらく食料はバッチリ。それにしても、英語で色々質問するのは難しい・・・・えらく疲れた買い物だった。


ホテルに戻り自炊で夕食。これだけ寒いのだから暖房を効かせてよって感じなのだが、どうやらお風呂場だけが暖かい? 部屋の暖房はほとんど効いていなかった。夜には軽量ダウンジャケットを部屋の中でも着ている有様(苦笑) ここは8月で下界なんだけどね。。。。(苦笑)


夜になって、S夫妻(よっちゃん&ひーちゃん)とN夫妻の奥様の節ちゃんが近くのホテルから訪ねてきてくださった。本日彼らがされたハイクは雪の降りしきる中を完全な雪山ハイキングだったという。この分では、マッターホルンのテスト山行のポリュックスあたりに行くのも難しいだろうという話もでてきた。明日のオーバーロートホルンに登るのに一緒に同行したいという話があった。もちろん了解。 明日は5人+田村代表で人数が多くて楽しそうだなあ〜〜





駅と町がつながっているアレレ・・・ スイス国立博物館(駅の目の前にあり) 経由地が細かく表示されている
教会の塔が遠くに見える。川嵩はかなり高い 緑の丘が周りに広がっていた シュピーツ周辺のトゥーン湖
ここで乗り換え。ヤレヤレ、あと少し♪ 登山鉄道が川沿いを進む