旅を終えて 〜 総括 〜




【ガイド登山についてのあれこれ、その他雑感 】

長いような短いような15日間だった。会社員をやっている以上は長い休みはなかなか取りにくいが、幸いなことに勤続記念休暇というありがたい制度を利用して念願のスイスにゆったりとした日程で行くことができて本当に嬉しかった。今回のレポをホームページにアップしたことで、多くの人から想像以上の関心と温かい声を頂いてとても嬉しく思いました。やっぱりマッターホルンはネームバリューが凄いのだということと、やはり美しい姿は多くの人を魅了するものがあるということでしょうか。


自分は山を始めたのは高校生の時ですが、漠然といつかマッターホルンに登ってみたい・・・・という高校生ならではの夢物語のような気持ちを持っておりました。当時はまだ円が安くて250円前後だったので、外国に気軽に行くという時代ではなかったです。また岩や雪はやっては駄目だという両親の厳命を守っている良い子だったので、本当に夢の世界だと思っておりました。


それがインターネット時代となり、色々な人の情報を集めてみるとガイド登山ならば登れなくもないかな?という想いが募ってきました。ガイドを使う前提だと、登攀技術はほとんど要らないということも判明。実際にマッターホルンに登った知人も複数おり、直接話を聞くこともできました。幸いにもS夫妻という強力なヨーロッパのガイド登山通の方と自分のホームページのお陰で知り合えたのも、今の時代ならではと思っております。


もっと力を付けてから本当は臨んだほうが良かったとは思いますが、マッターホルンを始めとした岩主体の山の場合は、岩のコンディションに大きく左右されるので、本当にお天気次第・・・・ということで、それには休暇日数が必要なので、実力不十分は重々承知の上で出かけました。


実際にマッターホルンを登った感想としては、
  
●登りだけを考えると「1に体力、2に体力、3にコミュニケーション力、4に技術力」
●下りだけを考えると「1に体力、2に体力、3に技術力、4にコミュニケーション力

という感じでした。ここで言う技術力は、岩や雪山に慣れているか、アイゼン歩行で岩や雪を問題なく歩けるかという程度なので、登攀力とまでは言えないレベルのお話です。


ガイド登山に関しては、コミュニケーション力というのが技術以上に必要不可欠かなという印象を強く感じました。いかにガイドと仲良くできるか・・・というのはとても重要だと考えました。よっちゃん曰く「下手なトレーニングをするのならば、英語を勉強して行ったほうが役に立つ」という有難いアドバイスは、予め英語は勉強していかなかったものの(^^;)、ガイドさんのお陰でなんとか意思疎通ができたのも成功の一因かと思います。もちろん、リュフェルホルンの岩トレの時と同じガイドだったので、その時に気楽な気分で英語でコミュニケーションをとっていたのが、本番での心証を良くしたのだと思います。


そこで、アクティブマウンテンさんから聞いた話などをまとめて、マッターホルンのガイド登山に参考になるガイドネタをまとめてみました。実は、彼らは秩序を持った階層社会?ということが、これを見てもらえればわかると思います。マッターホルンに出陣する時には、この序列を守って出発する慣わしだそうです。



階層順位 どんな人達? コ メ ン ト
1番手 ツェルマットのガイド頭 ●名前は聞き忘れたけど、この方が牛耳ているそうです。
●マッターホルンに登る場合は、この方が先頭で小屋を出る暗黙のしきたりがあるそうです。
●たぶんいつマッターホルンのガイド登山をオープンさせるかという天候判断などもこの1、2番手の人達が決めているような感じのようです。

2番手 ツェルマットのガイド3人組 ●ガイド頭の次に必ず追随するメンバー。この方達がガイド頭の次に登ります。(日本で言うところの三羽ガラスって感じらしいです。)
3番手 ツェルマットのガイドの主力ガイド達 ●若手バリバリ組みや経験を豊富に積んだ脂の乗り切ったガイド組(俊足組という位置づけのようです)
●ポリュックスの時のガイドのヘルムートさんは、実は一番手のツェルマットのガイド頭の従兄弟にあたる方というので、なかなかの主流派のようでした。
●この辺りまでがメインの感じのようです? ヘルンリ小屋でも幅を利かせている雰囲気です。
4番手 その他のガイド組
●1〜3以外のツェルマットのガイド(やや年齢が上になったなガイドや経験がまだ少ないガイドなど)
●他地域のガイド組(この中には日本人の国際ガイドや、シャモニーのガイドなども入ります。また、私が今回お世話になったジョージのようなオーストリアのガイドもこの範疇です。他にも隣国のイタリアやドイツなど色んな国の人達がやってくるインターナショナルなメンバーです)
●余談ですが、オーストリアのガイドは最近はかなり増えているという情報です。隣国のオーストリアにはあまり高い山がないので、こちらに来ているようです。やはり、外国から来ている分だけ、外国人には優しいのかなあ?(笑) オーストリア人はドイツ語を話すので、オーストリア人がツェルマットのガイドに頼んでも全く言葉の問題はないので、日本人ガイドのように言葉の面から一定のお客さんが見込まれる・・・という訳ではありません。ある意味では顧客獲得の面では厳しいものがあるかもしれません。


また、地元のガイド同士は常にライバル心が一杯で、「何時間何分で登ったのか」「何番目に今日は登頂したのか?」「ヘルンリ小屋に戻ってきた順番」「マッターホルンに全部で何回ガイドしたことがあるのか?」「今年は何回マッターホルンをガイドできたのか?」などなど・・・・色んな面で、実は顧客の知らない所で競い合っているようです。良い面、悪い面もあると思いますが、実力がボーダーラインレベルの自分ならばこの競い合いに巻き込まれるのはなかなか辛いものがあります。ツェルマットのガイドの仲間内でかっこ悪いようなタイムで登っている場合は、容赦なく途中で降ろされるのはこの辺りの話につながるってくるのかな?と思います。


最近では、ツェルマットのガイド組合のホームページでは「8〜9時間で登頂すること」を必須条件と明示してありますから、今までは認められていた10時間レベル?やそれ以上(ソルベイまで2時間半レベル。登頂で5時間、下りも同じ時間がほぼかかるので下り5時間の合計で10時間)の人達にとっては、かなり厳しいものがあるようです。9時間の登頂には、ソルベイヒュッテには2時間15分のタイムが必要となる訳です。もちろん、天候の条件や岩の状態、お客さんの調子などを総合的に判断して途中で降ろすかどうかは決めることだとは思いますが、ツェルマットのガイド組合に直接頼んだ顧客に対しては、体力派でない人の場合は厳しい課題かと思います。それに対して、4番手と挙げた他の国やスイスの他地域などから来ているガイドさんは、ツェルマットのガイド組合の管理下ではないので、ツェルマットのガイドさんよりは多少の幅を持って天候その他が許す範囲内で対応しているのかなとも思いました。(あくまでも推測ですが)


レポにも登場してきたソルベイヒュッテまで2時間半で登ったにも関わらず降ろされてしまった日本人のDさんは近くで登った訳ではないので、どういう感じで登られていたのか全くわかりません。しかし前夜に私達日本人と懇親していたために、彼は自分のガイドとはあまりコミュニケーションを取っていなかったよう?なので、ガイドの心証に多少関係したのではと思うと、Dさんに悪いことをしたのでは・・・と少なからず思っております。Dさんのガイドも食事を共にするようにお声をおかけするとかできなかったのかしら?(ツェルマットのガイドなのでガイド仲間が一杯いるので、こちらから積極的に話しかけなければ、わざわざコミュニケーションを取りに来るという感じでないかもしれませんが。)


それに対して自分は、岩トレに続き、前夜も日本人の総メンバー?でジョージを歓待して仲良くしたので、やっぱり人情としてはかなり優位に働いていたのではないかと思います。<この亀のようなバテバテの日本女性は今日は本調子ではないかもしれないけど、まあ登らせてやろうじゃないか、高山病みたい?にハアハアしているけど、本当にまずかったら自分で言うだろうし、それに、体重が軽いのでなんとか降ろせるだろう。天気は最高に良いし、自分もツェルマット最後のチャンスなので時間がかかっても1度は今年も登ってマッターホルンの登頂回数を稼がなくては・・・・>なんて具合にジョージが思ってくれていたのではないかと勝手に自分は想像しているものです。(苦笑) まさに、天気だけではないガイド運が関係した部分かと思います。


また、これは一般的に言えることだと思いますが、懸垂を多用してガイド登山では降ろすので、体重が軽い方が有利かと思います。クライミングをしたことがある人ならば、ビレイの際の体重差はある程度意識すると思いますが、かなりの回数を行うので、体重が軽い人の方がガイドしやすいと思います。確保支点だけでなくて、ちょっとした岩を使って降ろす場合もあるので、あまり重たい人だとガイドさんも結構辛いのではと思います。幸いなことに20キロ以上は自分はジョージよりも軽いので、そういう面ではラクだったのではと思います。ガイドは、がっちりした典型的な山男タイプもおりますが、スマートなクライマー体系の人も多いので、結構関係するかもしれません。


それと忘れてはならないのは、
プライベートガイドというガイドスタイルのことです。海外ではガイド登山がとても一般的で、ガイドの仕組みも昔からしっかりしています。ヨーロッパでアイゼン、ピッケルを使う山を登るケースでは定期的にガイドを利用するとなると、直接ガイドさんと連絡を取り合って予約をする訳です。こうなってくると、いつものお馴染みさんということで融通が利く感じと思います。ガイドの立場にとっても、ガイドしやすいし、実力も把握しているので限界かどうか登らせるかどうかの判断基準も違ってくることでしょう。組合を通さないので当然にガイド代も丸々自分の収入に直結する訳です。プライベートガイドとなると、1年前から来年の予約が入ったり、そのガイドと別の海外遠征に行く(例えばヒマラヤに一緒に登りに行く)という感じのことも行われているようです。


今回は、エージェントからの紹介でジョージが2回ガイドになりましたが、感覚的には2度目のマッターホルンはちょっとしたプライベートガイドの感覚かな?という印象を受けました。どの程度登れるのか、どんな人なのか、ガイドの立場になってみると、やっぱりガイドも人情がありますからそういう心証というのは大切だと思います。だから、体力の次にはやっぱりコミュニケーション力がとっても大切だと思います。日本人は「言葉でなくて態度で示す」とか、特に男性の場合は「男は黙って・・・・」という感じの人が多いかもしれませんが、外国なのですから自己PRを大げさでもいいので、やっておくのは大切だと思います。何も語らなければ始まりません。英語なりドイツ語なりフランス語なりと、なかなか頭が痛い話ですが、本気でガイド登山で登りたいのならば必要不可欠かと思います。私の英語は大変情けないレベルですし、登っている最中は何か話す余裕もあまりないですが、顔や体の身振りでまだ余裕があるというような感じのジェスチャーなどが効果的かと思います。私は、レポでも書いたように足が上がらずに亀の気分で内心苦笑しながら登っておりましたので、歯を食いしばって風の感じではなかったと思います。<参ったなあ〜〜、ボリボリ・・・>っていう感じでしょうか。


それと、ガイド登山の場合は忘れてはならないのは、ガイドさんは山のコンディションと天気さえよければ連チャンで毎日山を登るということです。毎日マッターホルンだけをガイドする人も居るし、今日はマッターホルン、翌日は少し離れたドムとか、モンテローザとか・・・。マッターホルンだけならばまだ楽ですが、翌日例えばドムに登りに行くには、ツェルマットに降りてから、電車に少し乗り、それから1500mの標高差を登って山小屋までその日のうちに入らないとならないのです。モンテローザならまだ楽で、一旦ツェルマットに下ってから登山電車で登山口まで登り、あとは小屋まで2時間半ぐらい。いずれもマッターホルンの下山後に行く訳ですから、少なくともヘルンリ小屋には13時か14時には降りて来たいと思うのが人情でしょうか。翌日ガイドに予定が入っていなければ、少しゆとりを持った気持ちでガイドもいるかもしれませんが、翌日のガイドのスケジュール次第では相当に急いで下山しなければならないという状況になる訳です。人気ガイドほどスケジュールはびっしりなので、急ぐ気持ちもわかる気がします。


また話は変わりますが、スイスの宿は連泊が当たり前のゆったりと休暇を楽しむスタイルが主流のようでした。日本人の観光ツアー客が連日移動している強行軍なんていうのはちょっと現地では浮いている印象でした。今まで参加してきた登山ツアーはモンブランはシャモニーに1週間の滞在型ですし、ネパールトレッキングもそんなにせかせかした印象ではなかったので、自分はツアーも好きですが、スイスならば治安も良いし英語も通じるので個人旅行に本当に向く場所だと思った次第です。欧米人の多くは個人旅行で、団体旅行は日本人と韓国人だけ?のようでした。貸しアパート形式の宿泊もかなり一般的で、1週間単位で賃貸するのが原則のようです。ガイドからは、「1週間、それとも2週間の予定で来ているの? 2週間・・・それは良かったですねえ」というやり取りが決まってありました。やっぱりヨーロッパ流の休暇は1週間単位で、ましてや気まぐれなマッターホルンに登るのでは1週間ではなかなか辛いというのが彼らの決まった考え方のようでした。



【補足:ヨーロッパアルプス流の登山概念

今回のレポートでは盛んに「スピード」とか「制限時間」とか、日本の山で普通に登っている分にはあまり強調されない概念が随分出てきて、あれあれ?と思われた方もいらっしゃるかと思います。私のような者が軽々しく書ける内容ではありませんが、一応ヨーロッパアルプス流の山に対しての考え方、かっこよく言うとアルピニズムについて少しだけ述べさせて頂きます。


アルピニズムとは、山の辞書的なものを調べると「より高くより困難を求める、スポーツとしての登山。岩壁や氷壁の登攀を中心とする登山。その技術や精神をいう。」とある。ヨーロッパアルプスは日本よりも緯度が高いこともあって、同じ3700mの富士山の高さであっても気象状況がより厳しいと言える。(日本でも緯度が高い北海道では、2000m〜1500mの山で北アルプスのような高山植物が咲いていたり、厳しい気象条件となると言えばわかりやすいだろう)ヨーロッパアルプスの4000m峰クラスではさらに高度が高いので、万年雪となるし、氷河も形成されている。そのためヨーロッパの人々の根底には
「高所=危険な場所」という考え方が定着している。


よって、それを敢えて登るのだからアルピニズム的な考え方になるのだと思います。
危険な場所はさっさと登って、さっさと下るのが良い訳で、高い山をのんびり登るという概念がない訳です。フランス在住のゆきさんから「フランス語では、クランポン(アイゼン)、ピッケル、ロープなどの登攀系の山用具を使った山登りのことを一般的にアルピニズムと言って、そういった道具を使わない山登りをランドネという。何日かかけて道具を使わないで縦走する感じのものをトレッキングという」という説明を受けた。いわゆる私なんかが思っていた精神論をアルピニズムと呼んでいる訳ではなく、単に道具の違いだったのです。ところが、実はヨーロッパアルプスの高い山自体がそういう道具を全て使わないと登れないのだから、道具の事を言っていても実はそういう危険回避の考え方も自然に含んでのスポーツ性重視の登山ということになるのだと思う。


日本人の山への考え方は、気象条件も山の高さや形も違うので、例えば富士山を日帰りで登ろうと、1泊2日で登ろうと、またもっとゆっくり2泊3日登ろうとも、登ったことには違いはないので、全て登れておめでとうと祝福されるものです。ところがヨーロッパ人だと違うのです。
「そんなに高くて危険な場所にぐずぐずと居るのは良くない。さっさと登って降りられなければ、その山に登る資格がないと断言する感覚なのです。どこかで読んだ文章なのですけど、「100m競争を1分とか1時間かけて走るのは誉められないことであると同様の意味に、制限時間を大幅に越して登ったのでは登る資格がない者だ。」というような決め付けです。日本人の登山感覚だと、寛容な国民性なので、「1分はさすがにまずいけど、せめて20秒とか30秒位以内に走れればいいじゃない。今日は天気が良いから少しおまけしちゃおっ・・・・」という感覚なのだと思います。それが、現地のガイドさんだと「何秒以内であらねばならない」という感覚の人が多いのではと思います。また地元としてはガイド登山の登頂者はマッターホルン登頂者にふさわしいスピード感に優れた登山者にしか登って欲しくないというような感覚もひょっとしたらあるのかもしれません。(あくまでも推測)


それに、ヨーロッパアルプスの4000m級の一般ルートと言っても、結局は日本のアルパインクライミングレベルはどこもあるのがほとんどなので、日本でもアルパインクライミングをやっている人は「スピード」とか「危険回避」って事を一般縦走の人よりは考えて行動しているでしょうから、やはり行動にあたっての迅速性は当たり前の事といえると思います。(誰も本ちゃんの壁やルートの途中であんまりゆっくりおにぎりなんか食べないのと同じ感覚だと思います。)


ヨーロッパでいつもトレーニングしていれば、自然と地形的なものには慣れることも多いでしょうし、高度順応なんかも遥かに良いでしょう。だけど異国の地から行った全ての外国人が同じような感覚で登れないのはある程度はやむを得ない部分もあるかと思います。その点を多少の融通が利く感覚でガイディングするかどうか、ガイド登山であればガイド運ということになるのだと思います。(その点は、私をガイドしたジョージは地元でなくオーストリア人ということもあって、寛容でガイド自身も山を楽しみながら登るみたいな素敵なガイディングでした。) またガイドレスで自分達の力で登りたいのであれば、初見なのである程度の時間はかかってもやむを得ないでしょうけど、制限時間を意識してのある程度の時間で登れる自信と技術を十分つけてから登るべきでしょう。日本人は過去にかなり現地に迷惑をかけてきた実績があるようなので、少なくとも現地の人達の感情も考えて、「郷に入らば郷に従え」という言葉を私は大切にしたいと思う。



【最後に】

今回初めての海外一人旅、それにマッターホルンへの挑戦等、色んな意味で勉強になった山旅でした。いつか行こう!、行けるかな?と思っていても、実際に実現させるのは難しいことだった。自分の現在の山行スタイルは単独が多いせいもあって、実力を大きく越して山に登ることをしていなかったと思う。今回は、ガイド登山という形で実力不相応とも言える大きく困難な山に登ることができて、大変に多くの事を学んだと思う。


こういうガイド登山形式を日本人の中には未だに是とは思わない人もいるかと思う。もちろん、そういう考え方も然り。しかし、日本でマッターホルンクラスの山を実力で登れるまで技術取得をして、さらに一緒に最低2週間程度の休暇をとって海外に行けるザイルパートナーを見つけるということは、相当な難題である。学生時代やリタイア後ならば別でしょうけど、普通の会社員が仕事と両立しながらとなると難しいものがある。自分も最近になって人生はそんなに永遠に長くはない、元気に山に登れるうちに登っておこう・・・・と思うようになった。ガイド登山ならばスピード勝負なので、なるべく若い方が少しは有利かと思ったのでした。


スイスに到着した最初のうちは大雪におろおろして悲壮な気分でしたが、結局は天候と運に恵まれて1度の挑戦でマッターホルンの登ることができて、大変自分は幸せ者だと思ってます。海外登山の楽しみは、日本と高山植物などの植生も違うし、山の景色も全く違っているし、本当に癖になる楽しみだと思います。海外旅行の楽しさと登山の楽しさがミックスしたもので、また実力をもっとつけてどこかに行きたいと思うものです。


最後になりましたが、本当に計画段階から親身になってアドバイスして下さったS夫妻、そして今回の旅を手配して色々とアドバイスして頂いたアクティブマウンテンの皆様方、ツェルマットの滞在中にお世話になったN夫妻、今まで私に色々な山の指導や情報をくだっさった岳友の皆様方、そして一緒に登ったガイドのジョージとヘルムートに心から感謝の気持ちを表したいと思います。


そして、最後までこの長いレポを読んでくだっさった読者の皆様にも御礼申し上げます。