マッターホルンへのアプローチ
【マッターホルンをどういう形で登るのか? 】 マッターホルンをどういう形で登るのか、また旅行のプラン自体をどういう風に組み立てるのか? 色々な形で可能であるが、自分なりに調べた範囲でまとめてみました。もちろん、これ以外の方法等でも旅を組み立てることは可能だと思われますので、あくまでも興味を持っている方の参考に少しでもなればと思って書いております。 登り方に関しては、大きく分けるとガイドレスか現地ガイドか日本人ガイドの3種類しかないのですが、それぞれのガイド手配等の方法も踏まえて、私流に類型化してみました。
国際ガイド資格を持ったガイドとでないとならない決まりがあります。 よって、日本のガイド資格だけだと公的にはガイディングできない仕組みです。 1は自分の実力からして、全くの論外。 2は主に語学力や海外一人旅が初めての点からみてちょっと困難のようで避けたい。(苦笑) 7は予算不足と準備不足で無理。 8はリスクが高すぎて、命を賭けてマッターホルンの一般ルートを登るのは勘弁なので全くの論外。 実際のところは、3〜6あたりが自分にとって検討の余地があるところだった。 3はせっかくの休みが2週間あるのに9日間の設定ではもったいないし・・・・ (完全なツアーなので安直さという意味では結構魅かれていたのですが。。。) 6の方法は結構前から調べてあったのですが、既に4月とかの早い段階でガイド予約は締め切っているような感じなので、これまた駄目。 S夫妻から今回利用したアクティブマウンテンを紹介されて、5の方法があるということを初めて発見!! 本当に渡りに船みたいな気分だった。これならば、自分でも大丈夫かなぁ〜? 自分はモンブラン登山の時にはかなり登る速度が遅いと大いに叱咤激励されたトラウマのようなものがあったのですが、あの時から6年経過しており、当時よりは山に多く登るようになってきていたので少しはマシになったかなと思って、経済的なこともあって現地ガイドで登りたいと考えておりました。 また計画自体は、登る実力のほかにも語学力や交渉力を考えてプランニングはしないとならないのがポイント。ツェルマットはドイツ語圏ですが、英語が観光関係では通じるので、海外旅行に慣れている方ならば、いろんな方法で旅行のプランを立てられると思います。 【事前のトレーニング】 事前のトレーニングは少なすぎて、かなり恥ずかしいものがあります。(大汗タラタラ・・・) プロローグにでも触れたように、去年の秋から3月半ばまでは持病治療のために約半年間の運動をしない時期がありました。やっと運動を始められるようになったのが3月後半位から。もっぱら頭の中は山を滑ることばっか・・・・(苦笑)歩くとか走るとか地面の上の話はようやく雪が消えた頃から考え始めるようになりました。それで5月頃から少しランニングを始めたのですが、ある一定の距離を走ると必ず右膝が痛むのです。S夫妻のご主人のよっちゃんに相談したところ(よっちゃんはマラソンでかなりの健脚の方です)、ランニングは急にやっても体を痛めるだけであまり効果がないので山を実際に登る方がはるかにトレーニングにはなると言われました。 ところが、6月下旬に仕事の方で新しいプロジェクト開始ということで、その前から仕事が忙しく、ストレスも加わって仕事でぐったり・・・・。あまり思うようにトレーニングがはかどらない。その間に、S夫妻&N夫妻は飯豊の石転び雪渓日帰りピストン、白馬雪渓日帰りピストン(白馬鑓ヶ岳までの往復ピストンでの三山縦走含む)、さらには餓鬼岳&唐沢岳日帰り15時間、八方尾根から五竜岳往復ピストン・・・等の私から見るとかなりの長時間&標高差のある過激なトレーニングを次々と重ねており、自分は取り残された気分です。S夫妻のよっちゃんは既にマッターホルンやアイガーなどを登られており、奥様のひーちゃんもモンテローザ、ドム等色々な4000M峰にご主人とご一緒している健脚のご夫妻です。トレーニング山行は今までのノウハウなども踏まえた上での企画でしょうから本当はご一緒したかったのですが、スケジュールも合わず。途中からは、そのトレーニングぶりを伺って、とてもご一緒できるほどの体力は自分にはなさそう? マイペースでやることに諦めました。トホホ・・・・・・ 7月は頑張って自分としては珍しく割と山に登った方ですが、8月に入ったら暑さと疲れも加わって、あまり体調的には好調でなくなってしまいました。出かける1週間前には富士山にもう一度高度順応のために登りに行こうと思っていたのですが、よくカレンダーを見ると8月13,14日といえばお盆ではありませんか! 恐怖のお盆の大混雑の富士山体験をしたことがあるので、下手に登って疲れを引きづったまま1週間仕事をして出国するのも辛い。今回の宿泊場所のヘルンリ小屋は標高3200m程度なので、過去の経験から高山病にはならないだろうから、最後の富士山登山はパスしてしまいました。 実際に行った山は以下の通りです。
トレーニング山行の1(丹沢・大倉尾根)については、かつて人から聞いた話だと、大倉から塔ヶ岳はマッターホルンを目指すならば最低でも3時間以内で登れる程度ではなくてはならない・・・・ということなので、一応タイムチャレンジしましたが、ぎりぎり2時間半。実際は、やはりこの尾根は2時間ちょっと位で登れないとマッターホルンの現地ガイドによる標準スピードには太刀打ちできないと今では確信しております。ただし、自分的にはこの時にそこそこの程度に登れたので、実際にマッターホルンにチャレンジしてみようかなと思う試金石になった山行でした。この山行から、ヨーロッパ流に休憩をあまりとらないように意識して登り始めました。(今までの自分は休憩取り過ぎでした) 3の富士山も、同様に知人の方がガイドさんから「富士吉田口から最低でも4時間半以内で登らないとないとマッターホルンに挑戦するのは無理」と言われていたので、一応それを意識して3時間48分で登りました。しかし実際は3時間半以内とか3時間程度で登れるぐらいに健脚でないと余裕の登山はできないような感じに今では思っております。このガイドさんは日本人ガイドなので、要は少し遅いことも認めて頂ける日本人ガイドと登る時の指標という感じだったと思います。 (なおこの時間は別の登山口には当てはまりません。例えば富士宮口は標高差や登山道の作りが違うので、全体的にもっと速く登れるようです。) 4と6は、この数年山スキーばかりをしており、全くアイゼン歩行をしていなかったので、慌てて冬靴に12本アイゼンで夏の雪渓を付けて登るという苦肉のトレーニング。ヨーロッパアルプスでは、一日のうちにある程度の標高差を登って降りることになるので比較的標高差のあるコースを一日のうちに歩くトレーニングとしました。 また、マッターホルンは登攀系の山なので、いくら太いロープが難しい所には設置してあって、それをごぼうでつかんで登ればよい・・・と言われていても、さすがに久しぶりに岩のトレーニング位はしたかったです。梅雨時に海外登山をめざす人向きの登山靴で岩トレをやる講習に参加しようとしたのですが、雨の予報が週末に出てしまったので直前の申し込みができず。せめてものクライミングジムでトレーニングをしようと1度だけジムに行ったのですけど、やはり左腕の痛めていた患部がフリークライミングをするには痛くて、下手するとますます悪化しそうで恐くて1回きりとなってしまいました。(その後、病院に行き、自宅で軽いリハビリ程度のことにつとめてました) 本当に少ない範囲で登った山は最小限のトレーニングという感じで、実際にマッターホルンを登った後の感想としては、完全な付け焼刃的なトレーニングでかなり足りなかったと強く反省した次第でした。とくに全く登っていなかった半年のブランクの後ですから。やはり、もう少し早い時期から基礎体力強化をすべきでした。山スキーシーズンから平行してやっていればなあ・・・・・・。 【準備知識編】 【参考文献と地図】 ●アルプス4000m峰 登山ガイド 山と渓谷社 (1997年版) ⇒定番本 日本で唯一と言っていい日本語で書かれている登山ガイド 日本からヨーロッパの高い山を目指す人の教科書本です。 ●ツェルマット周辺を歩く (ヨーロッパアルプスハイキングガイド) 山と渓谷社 ハイキングの時に毎日持ち歩きました。有名どころはほぼ網羅されている便利な本です。 ●ヨーロッパ・アルプス(ブルーガイド・ワールド) 実業之日本社(1998年版) ⇒絶版 ヨーロッパアルプス全般にわたる有名どころのハイキングの本 ただし、巻末につけられている岩・雪系のガイド記述がとてもありがたい。 モンブラン・マッターホルンはもちろんのこと、アイガーや他のバリエーションルートの一部紹介もあり 絶版になってしまったのが惜しまれる。 ●地球の歩き方 スイス 2005-2006年版 ダイヤモンド・ビック社 ●地球の歩き方 スイス・アルプスを歩く 1997-1998年版 ダイヤモンド・ビック社 ⇒絶版 ●その他観光ガイドブック幾つか。 ●S夫妻の山の記録 非売品 ⇒ 一番役立ちました!! ●Wanderkarte (Zermatt 25000分の1地図) ツェルマットに行ってすぐに本屋さんで購入したカラーの綺麗なハイキング地図 ハイキングコースとコースタイムがわかりやすく表示されている。 ただし、全体的にコースタイムはやや厳し目です。 【参考にしたHP】 ●GAMOさん(HP名:ヴァーチャルクライマー) 上の方法論で述べた3の方法での体験記です。 当該体験記の箇所は⇒ http--www.ne.jp-asahi-gamo-yama-outdoor-alps-alps.htm ●安藤さん(HP名: Heaven Site) @2003年の挑戦 ⇒http://homepage.mac.com/nahp/ocean/nature/zermatt/index.html A2004年の挑戦 ⇒http://homepage.mac.com/nahp/ocean/nature/zermatt2/index.html @の時には上記4の方法で行かれており、Aの時には上記2の方法で行かれております。 トレーニング方法や取り組み方など全般にわたって大変参考になったHPです。 また、マッターホルン登山がいかに天候に左右されるかを痛いほど実感せしめる内容です。 安藤氏の3度目の挑戦が成功されることを心から祈っております。 ●ZERMATさん (HP名:山岳図鑑) 会社の山岳部で1989年に行かれたときの体験です。 上の方法論の4の形でのガイド登山とガイドレス登山の人達の混成です。 当時はインターネットがない時代なので、いまよりもずっと情報や手配などが大変だったようです。 当該体験記の箇所は ⇒ http://www5a.biglobe.ne.jp/~hkusachi/sanko/swiss/index.htm ●銀座山の会 砂沢敏彦さんの記録 (上記2の方法) アルパインセンターに直接申し込む方法については、こちらの記述がかなり詳しいです。 その他、マッターホルン登山に関して記載されているHPの情報リンクも豊富に載っております。 http://homepage1.nifty.com/jsawa/ginza/2002/matterhorn.html |