アコンカグアな日々 その4日目

やっと入山前日までたどりつきました


  

【1月16日(土)

 
 今日はようやく4日目にして入山口近くのペ二テンテスのホテルまで移動する日です。バスの移動距離も大分減ったので、少し余裕の行程です。気分的にも昨日の国境越えが終わったので楽になって、朝7時頃まで熟睡することができました。時差もあって、このところ寝ても細切れに目が覚めていたのですが、この日は数回目が覚めたものの久しぶりに熟睡したなという実感がある日でした。


 朝食後、チェックアウトしてから入山手続きの事務所に11時頃から行きます。最初に代理店みたいな小さなお店で入山料の支払いを済ませ、その後大きな建物(役所)の中で簡単な面接をします。自分のサインは日本語でOK、パスポート持参しました。ごく簡単な英語の会話をしたような記憶があります。これは全ての入山する人に義務付けられているものです。色々と国の登山客が来ておりました。このところ入山料は値上がりしているのですが、特に前年よりかなりのアップで、古谷ガイドもびっくりしておりました。


 手続きを済ませて、ようやく12:30頃出発です。昨日来た道をチリ国境方面まで戻る形になります。途中で昼食に寄りましたが、これまたゆっくり炭火焼の牛肉を待ちます。どこまでもお肉が山盛りです。あまりの量に見ただけで自分はちょっとうんざりな部分があります。頑張って3分の1位食べましたが。付け合せのポテトの方が嬉しいかも(笑) あまり大量のお肉を食べると自分の場合はお腹が壊れてしまうので、なんでも控え目です。


 


メンドーサの街は暑かった。日陰の並木がありがたかった。 入山許可証を得るための場所。左側のスレンダーな眼鏡美人のお姉様に対応いただきました。
入山許可書を提出する役所入口。世界各国から登山者が来ていた。 いよいよ入山口のペ二テンテスへ出発。大量な荷物を運ぶ。
とにかく牛肉がでっかい!! 自分の顔よりも十分大きい(^^;) 付け合せの野菜にほっとする・・・・ ステーキハウスのレストラン。田舎のドライブインという感じでログハウスな造り。
ブドウ畑とアンデス山脈。アルゼンチンワインの故郷。さりげなく5〜6000m峰の山々が連なる。



 ようやく16時過ぎにペ二テンテスのホテルに到着です。アコンカグアに行く人のかなりの人がこのホテルに泊まるようです。この日はトレッキングをする必要があるので朝からトレッキング用の服を着ているように指示がありました。そのため荷物を置いてすぐに出発する段取りです。そうはいっても、トイレ位は行くのですが、トイレの水が止まりません。焦ります・・・・・・。気になるまま部屋を出ました。


 ホテルの前にいると、ちょうどそこに日本人が何人もマイクロバスから降りてきました。なんとNHKの取材班の面々です。中心になって動いているので貫田ガイドさん
(テレビ局の取材番組をコーディネイトをすることで有名な方。NHKはもちろんのこと、民営のイモトのいってQシリーズの山シリーズもこの方がやっております)であることがわかりました。古谷さんとは顔見りみたいなので会話をされておりました。どの方も皆顔が真っ黒です。今年は雪が凄くて、C2よりも上は雪ばかり。1月10日に登頂を辛うじてできたけど、待っている間もすごく寒くてたまらなかったと口々にしゃべられておりました。相当しんどそうな感じでした。

 (後日、TVで放映されたのは<グレートサミッツ アコンカグア>の番組です。NHK取材班は1名のみ、あとは貫田さんと現地のガイドの3名のみ登頂だった。この年は気象条件がかなり厳しくて、番組ホームページでも裏話として10人に1人以下位しか登頂できていないという厳しい年でした。)


 こんな世界の裏側まできて、日本人とお会いするとなんだかほっとしますね。でも、そんなに厳しかった、厳しかったと言うのは、これから登る我々にとってはかなりプレッシャーであったのも間違いないところ。


 さて、いよいよ足慣らしのハイキングに出発です。目の前のスキー場を足で登るのです。ずっと4日間も飛行機とバスの移動ばかりで、体が固まっている気分だったので、軽いハイキングはとても嬉しい。ホテルの前で記念撮影。いよいよ調子を足慣らしに出発!


 16:20発に歩き出し。この時期は夜は9時を過ぎないと暗くならないので、まだまだ明るいです。少し夕陽の景色になり始めたぐらいの時間です。風が予想以上に強いです。ウィンドブレーカーのようなものは今回持参していなかったのが早くも後悔。薄手のフリースでは風を通してしまいます。本格的な冬用ヤッケや冬用ズボンはあるのですが、普通の雨具やウィンドブレーカーを是非持ってくるべきでした。事前にいろいろ装備は考えていたのに、まだまだ未熟です。


 歩く順番はチリガイドのナタディエール(通称:ナタ)が先頭で、その後は古谷さん、Oさん、Uさん、自分、Hさん、ラストを国際ガイドでスペイン人のパコが歩くような感じでした。この順番はおおむねずっと山行中もそうでした。ナタは背が高くて185センチか190センチ近く優にあって細身の方だ。パコは背は170〜5センチ位でがっちり型(あとで聞いた話では、スキーガイドがメイン。がっちり型の体型)だ。ともに英語でのコミュニケーションだけど、ナタは日本人を多くガイドしているので日本語も若干わかるみたいだ。


 渇いたスキー場や近くの地面には日本では高山でないと観られないような可愛らしい小さな花が一杯咲いていた。宿の周りの雑草からして高山植物みたいな感じだった。気持ちよくスキー場の1基リフト分を登って小1時間。リフト降り場で水を飲んでくつろいで25分位で下る。久しぶりに体を動かしたが、もっともっと歩きたい気分だった。


 ホテルの戻るとやっかいなことに、部屋のトイレの水が出ない。うまく交渉できないので、古谷さんに事情を説明して、ホテルの人を呼んでトイレの修理をしてもらうことになった。なんだかんだと落ち着かないけど、まずは食事に行く。昼の大量なステーキでまだお腹あまり減っていないけど、とりあえずレストランで食事をする。NHK取材班がたくさん人数がいて、下山晩餐会を盛大にやっていた。日本人では女性も外人も結構人数が多い。この日もかなり待たされての夕食で、待たされる南米流もだいぶわかってきた。夕食は自分軽めのパスタ
(ゆですぎたミートソースだったけど、味は悪くはない)を食べた。


 部屋に戻るとトイレは一旦は治っていたが、しかし、しばらくするとダメ。今度は流れっ放しでタンクに水が溜まらないの使い物にならない。結局、あれこれホテルの人がやってかなり時間が経ってから、隣の102号室に移ることになった。部屋は元の部屋はツインでこぎれいな感じだったけど、移動した部屋は4人部屋で二段ベットも置かれている。なんか古い感じの部屋でちょっと・・・・・だったけど、とにかく安心してトイレに行けないのも困るのでやむなし。廊下を行ったりきたり、?あちこち歩いていると、NHK取材班の人達が「明日の何時の飛行機だぞ。遅れるな・・・」とか、「何キロの荷物に納めるんだぞ」とか体育会のノリのような号令のような大きな声や荷物の移動させる音があちこちから聞こえてきます。お仕事とは言え、大量な機材や仕事道具、登山用具などで大変そうでした。


 部屋を移って、さてお風呂・・・となったら、今度はお湯が出ない!! 焦ります。しばらくしたら出るだろうと思い、明日からの出発に備え@ベースキャンプまで直接荷揚げするもの(高所専門のもの) A初日のコンフルエンシアに持参する荷物。 Bトレッキングに持参するザック。 Cホテルに置いておく荷物 の4種類に分ける作業が必要なので準備してます。いっこうにお湯がでるそぶりもない。近くの部屋のHさんに聞いてみたら、どうやらNHKの取材班が大量にお風呂でお湯を使ってしまったので、ホテルのお湯のタンクが空になってしまったのことです。再びお湯が溜まるまで待たないとお湯はでないという。ここでお風呂入らないとあと2週間はお風呂に入れないのでじっと我慢。(-_-;)


 結局、12時過ぎぐらいになってようやくお湯が出るようになり、お湯をバスタブに溜めはじめる。バスタブの栓がこのホテルでもないので、苦肉の策で石鹸を埋め込んで栓にしてしまった。また、何よりもお湯と水とシャワーの仕組みがイマイチよくわからず。うまくコントロールできないであたりに水をまき散らしてしまい、大慌て。さっそくドライヤーで濡れたものを乾かしたりします。お風呂に入るだけなのに、なんでこんなに大変なの・・・・・とぼやきたくなるほどでした。でも、割と部屋は寒くて温まりたい気分なのです。メンドーサの街はあんなに暑かったのに、ここは避暑地で肌寒い感じの夜でした。思わず薄手のダウンを着たような記憶がします。

 
 ハプニング続出のお風呂タイムが終わり、日記をつけながら寝ることにします。NHK取材班からの情報で、雪が一杯という言葉には不安は募ったものの、実はモチベーションも上がった自分。アコンカグアは砂礫の石ごろごろの上を登る山でつまんないなあ・・・・って正直思っている気持ちがあったのですが、雪一杯だと、アイゼン・ピッケルの世界? ワクワクします♪♪♪ なんとかセルフコントロールして登頂したいものだ・・・と書いて眠りにつきました。




ハイキング前にツアー4名集合
左からOさん、Hさん、MINMIN、Uさん
最初はこぎれいなツインの部屋だったけど、トイレが壊れており、急遽近くの部屋に変わった。
ちょっと格下のお部屋でしょぼん・・・・。

夏のゲレンデを登る。風が思ったよりも涼しくてびっくり。日本では見かけないない小さなお花も一杯咲いていた。
一番下にホテルロッジが立ち並ぶスキーリゾート地。夏は閑散としていて、やや寂しい感じ。
周囲の山は皆こんな感じで荒涼とした岩々しい感じの山ばかり・・・・。
リフト1基分だけ登って終了。滑走意欲をかきたてられるダイナミックな斜面が上に続いていた。

スキー場案内。私達は一段だけ登って足慣らし。 ホテルの目の前がスキー場。